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皆さんこんにちは!
豊伸工業株式会社、更新担当の中西です。
精度こそ命
建物が地震や風に耐えるのは、鉄骨の精度があるからこそ。
今回は、「どうやって誤差を限りなくゼロに近づけているのか?」という
鉄骨加工の品質管理と検査の裏側を紹介します。
鉄骨加工では、設計寸法と実寸の誤差が±2mm以内であることが多い。
しかし、それを保つのは容易ではありません。
鋼材は気温によって伸び縮みします。
20メートルの部材で約3mm変化することもあります。
そのため、加工中も気温・湿度を常に計測し、
基準温度(通常20℃)での寸法補正を行います。
職人はただ「切る」「溶接する」だけでなく、
常に“物理的な補正”を意識して動いているのです。
鉄骨製作は、JIS規格・国土交通省の構造基準・製品検査要領に基づき、
段階ごとに検査が行われます。
材料検査(ミルシート確認、受入試験)
寸法検査(ノギス・トータルステーション測定)
溶接検査(外観・超音波・磁粉探傷)
塗装検査(膜厚測定、付着試験)
この中でも特に厳しいのが「溶接部の内部検査」。
超音波探傷試験(UT)で、内部の気泡や割れをチェックします。
見た目が完璧でも、中に欠陥があれば即NG。
まさに、見えないところにこそ品質が宿るのです。
溶接は、金属を溶かして冷やす工程。
冷却時に“収縮”が起き、部材が微妙に曲がる。
これを「溶接歪み」と呼びます。
職人はこの歪みを想定し、あらかじめ“逆歪み”を仕込む。
つまり、溶接後にまっすぐ戻るように、最初から少し曲げて加工しておくのです。
経験値がものを言う世界。
「溶け方」「温度」「厚み」「方向」すべてがバランス。
1本の溶接ビードの中に、熟練の勘が詰まっています。
完成後は社内検査のあと、第三者検査機関による「工場製品検査」が行われます。
この段階で初めて“現場搬入”が許可されます。
そのため、鉄骨加工工場は常に清潔・整然としている。
油や粉塵が図面に付くだけでも誤差につながるため、
整頓・整理が“安全と品質”を支える文化になっています。
鉄骨加工の現場で飛び交うのは、「0.5ミリ大丈夫か?」「基準温度確認した?」といった言葉。
それは単なる数字ではなく、建物の命を守る感覚です。
正確で美しい鉄骨は、誇りと責任の象徴。
誤差ゼロへの挑戦は、今日も続いています。
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