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第21回鉄骨加工雑学講座

皆さんこんにちは!
豊伸工業株式会社、更新担当の中西です。

 

️鉄骨加工の世界

 

高層ビル、橋梁、工場、倉庫…。
どんな大きな建築物にも、必ず「鉄の骨格」が存在します。
それが“鉄骨”です。

そして、その鉄骨を図面通りに加工・溶接・組み立てていくのが、私たち鉄骨加工の職人たちの仕事。
一見、無骨で力仕事のように見えますが、実はミリ単位の精度と知識が求められる緻密な職種なんです

今日はそんな「鉄骨加工」の世界を、少し深く掘り下げてご紹介します。


⚙️1. 鉄骨加工とは?

鉄骨加工とは、設計図(製作図)をもとに、
鋼材(H形鋼、角パイプ、チャンネル、プレートなど)を
切断・穴あけ・開先加工・組立・溶接・塗装といった工程で仕上げていく仕事です。

簡単にいうと、建物の骨を“つくる”仕事
建設現場で組み上げられる鉄骨は、すべて工場であらかじめ「精密に加工」されています。
その出来栄えが、建物全体の強度や精度、安全性を左右するのです。


2. 主な加工工程

鉄骨加工は大きく次の流れで進みます

1️⃣ 材料受入・検査
鋼材メーカーから届いた素材を寸法・ミルシート(成分証明)で確認します。
異材混入や傷、錆などのチェックも重要。

2️⃣ 切断
バンドソーやガス切断機で、設計寸法通りに鋼材を切ります。
1mmのズレが、後の組立に影響するため慎重に。

3️⃣ 開先加工
溶接するために端部を“V字”に削る工程。
開先角度や深さは溶接条件に合わせて決定します。

4️⃣ 穴あけ
ボルト接合部にドリルマシンで穴を開けます。
自動制御機械(NC加工機)による位置精度は±0.5mm以内。

5️⃣ 組立
複数の鋼材を仮付け溶接で組み合わせ、フレーム形状に。
ここが“ものづくりの核心”。図面通りに寸法を合わせていきます。

6️⃣ 本溶接
溶接士がアークや半自動機で接合します。
ビルの柱1本でも数百箇所の溶接ポイントがあります

7️⃣ 塗装・出荷
防錆塗料を塗布し、現場へ搬出。
最後は検査員による寸法・外観・溶接確認を経て“出荷OK”となります。


3. 精度の世界

鉄骨加工は“スケールの大きな精密機械加工”とも言われます。
たとえば、長さ20メートルの梁でも許容誤差は±2mm。
気温による伸縮や溶接時の歪みを計算に入れながら、設計値へと近づけていきます。

職人は常に温度・湿度・材料癖を読む力が必要。
まさに鉄と会話できる人間が一流の加工士なんです。


4. チームで作る“鉄骨”

鉄骨加工は一人で完結しません。
製図担当、切断担当、溶接士、検査員、塗装担当――それぞれがプロフェッショナル。
それぞれの仕事が連携し、ひとつの“構造物”を生み出します。

図面を読む力、相手の意図をくみ取る力。
それがチーム全体の精度を決めると言っても過言ではありません。


5. まとめ

鉄骨加工の現場には、“無骨な中に美学”があります。
真っ赤に焼けた鋼材、火花を散らす溶接、ずしりと響くクレーンの音。
そのすべてが「日本の建築を支える音」です。

見えない場所で鉄を操り、構造をつくる。
それが私たち鉄骨加工職人の誇りです。

 


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