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日別アーカイブ: 2025年11月17日

第23回鉄骨加工雑学講座

皆さんこんにちは!
豊伸工業株式会社、更新担当の中西です。

 

溶接が生む鉄骨の魂🔥

 

鉄骨加工の心臓部といえば「溶接」。
炎と鉄、音と熱の中で形を生み出すこの工程は、まさに職人の真骨頂です。


⚒️1. 溶接の基本

鉄骨に使われる主な溶接は、以下の3種類。

  • 被覆アーク溶接(手溶接):職人が棒を手で操作する伝統的手法。

  • 半自動溶接(CO₂溶接):トーチガンからワイヤを送り出す方式。効率と安定性が高い。

  • サブマージアーク溶接(SAW):大型構造物に使用。粉体でアークを覆い、深く溶け込む。

鉄骨加工工場では、これらを組み合わせて最適な溶接方法を選定します。


🔥2. 火花の向こう側にある“繊細さ”

溶接というと力強い作業のイメージがありますが、
実際は非常に繊細です。

トーチの角度が1〜2度違うだけで、溶け込みが変化する。
溶接速度が速すぎると“ビード”が痩せ、遅すぎると“焼け落ち”が起こる。
そのわずかな違いを、職人は目と音で感じ取っています。

「溶接音がリズムよく鳴っていると、仕上がりが美しい」
ベテランは耳でも品質を見抜きます。


🧱3. 強度を支える“開先”と“裏当て”

厚板の鉄骨をつなぐとき、ただ溶かすだけでは中まで届かない。
そのため、端をV字に削り(開先加工)、裏側からも溶接を支えるために“裏当て金”を設置します。

これにより、溶け込みが深く、欠陥のない強固な接合部が完成します。
見えない部分で構造を支える技術こそ、溶接の真価です。


🔧4. 技能資格とプロ意識

鉄骨溶接士は、JIS Z 3841認証などの資格を持つ国家技能者。
資格を持つだけではなく、日々の技量検定や内部試験を受け、品質を維持しています。

また、各現場では「WPS(溶接施工要領書)」という施工条件表に基づき作業を行い、
すべてのビード・入熱・層数・速度が記録されます。

つまり、職人技でありながらも、完全に科学された技術職なのです。


💪5. まとめ

炎の中で鉄を操るその姿は、まさに現代の鍛冶師。
一滴の溶けた鉄が、建物の命を繋ぐ。
派手さの裏にあるのは、冷静な判断と精密な感覚。

溶接は芸術であり、責任そのもの。
火花のひとつひとつに、職人の魂が宿っています。

 


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